教育現場の問題の一つに、子どもたちのコミュニケーション能力の不足があります。そこで考えたのが、関西の演芸文化の真骨頂である漫才からボケとツッコミを体感してもらい、相手の話を聞き、話の展開を読む力や互いの信頼関係を構築していくアナログのコミュニケーション力を体験しようというものです。当初は「笑育（しょういく）」と呼んでいましたが、協力いただいている松竹芸能さんとの関係で途中から名称を「笑学（しょうがく）」に変更しております。

ワークショップは基本的には、小学校の１コマ45分の授業時間で漫才コンビと進行役の３人で行います。子どもたちがプロの芸人とコンビになってみんなの前で即興の漫才を披露する時間があります。やりたい子をその場で募集するのですが、さすがは大阪の学校の子はみんな元気に手を挙げてくれます。後で先生に聞くと普段は積極的な子ではない子も果敢に挑戦して普段は見られない一面が見られて良かったということも。時間の関係で漫才を体験できる子どもたちは４人くらいですが、きっかけ作りになっています。ワークショップ後に漫才を授業に取り入れて、大会を開いた学校もあります。また、普段は学校に行くのが面白くないと言ってた子が漫才を自分もやりたかったと言ったので放課後に先生と一緒に練習をするようになり、しばらくしたらまた別の子がやりたいと言ってきたので、その子とコンビを組むようになったというエピソードも聞きました。

今後も関西ならではのこの素晴らしい事業を継続していきたいと思います。